よく井戸水は美味しい、と言われますが、本当に美味しいのでしょうか?そもそも飲んで美味しい水とはどういうことなのか?そんな疑問を持つ方のために、ここでは水質検査の数値でおいしい水はわかるのかについてまとめています。
おいしい水とはどんな水?
おいしい水とは飲用に適する水質を前提としたうえで、味を悪くする成分をなるべく含まずに、味を良くする成分をより含んだ水のことです。
つまり、水の中の不純物をすべて取り除いた「純水」は残留塩素や微生物の残骸、ガスなど「味を悪くする成分」を取り除いていますが、同時に「味を良くする成分」であるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル類も一切含まないので、味が良いとは言えないのです。
水質検査でおいしい水かどうかわかる?
おいしい水かどうか、水質検査で調べられる数値で見分けることはできるのでしょうか。
おいしい水の水質要件
「おいしい水の水質要件」として1985年に厚生労働省がまとめた基準のめやすを示したガイドラインがあります。それによれば美味しい水の基準は以下のとおりです。
- 硬度 10~100mg/リットル
- 蒸発残留物 30~200mg/リットル
- 遊離炭酸 3~30mg/リットル
- 過マンガン酸カリウム消費量 3mg/リットル以下
- 臭気度(臭気強度) 3以下
- 残留塩素 0.4mg/リットル以下
となっています。
なお水温の基準もあり、20℃以下が美味しいとのことです。
項目をひとつずつ説明すると
pH値もおいしさに関係します
「おいしい水の水質要件」には入っていませんが、水の酸性/アルカリ性をあらわすpH値もおいしさに関係しています。
pH値は水質検査で調べてもらうこともできますが、試験紙を買って自分で調べることもできます。 おいしいとされる水はpH7.5程度とされており、国内の市販のナチュラルミネラルウォーター(「南アルプスの天然水」や「六甲のおいしい水」等)も皆pH値は7.0~7.5となっています。
現在上水道に供されている水の水質は、ほぼ皆上記の「おいしい水の水質要件」の基準をクリアしています。ですから、水道水よりもさらなる美味しさを求める場合は、また別の基準で考えるとよいでしょう。ただ、おいしい水の水質要件以上での美味しさについては、「何を美味しいと感じるか」について個人差があるので数値に求めない方が良いのかもしれません。
我が家の水質検査結果はこちらです。
過去に我が家の井戸の水を水質検査に出した結果はこちらです。(下のリンクの会社ではありません。)
割と「おいしい水」の水質要件を満たした数字ではないかと思います。40mの井戸の水を滅菌器を通して殺菌した後に、全館浄水器(細大株式会社のビューター)を通したところで測ったものです。滅菌器を通さないで測った時は一般細菌の数が330/mlで水質基準(100以下)に不適合でした。滅菌器を設置した後でも滅菌器の塩素が切れるとすぐ風呂場の床がピンクになります…(ロドトルラという酵母菌の一種のせいらしいです)
お風呂や皿洗い、調理の一部(卵をゆでる、ゆでた後の麺を水で洗うなど)はこの水で、飲用やご飯を炊く、煮物の水分などには、念のための気分でさらに浄水器(シーガルフォー)を通して使っています。10年ほどそれで過ごしていますが機器等特に問題は出ていません。(ポンプ故障で一度修理に1万円ほどかかり、滅菌器も経年劣化で一度交換しています。)