映画「ミッドサマー」感想【依存・共感・集団と個】

ミッドサマー 映画

ミッドサマーを観てきたので感想を。

上手くまとめきれず、後半はtwitterつぶやきのような細切れな感想を書き連ねる形になってしまいましたが、まとめるよりいいかな、と思ってそのままです。

無共感社会か過共感コミューンか

共感が無いのは辛い!

この映画、どこが一番キツいか、人によって違うんじゃないかと思うんですが、(たとえばアッテストゥパン、たとえば血のワシ、たとえば例の性交シーン) 私は、序盤のダニーが恋人クリスチャンに共感してもらえないところが辛かったです。

共感してもらえない寂しさの見せ方も上手かった ですし、私が共感をしづらい特性の持ち主であるところの身内と暮らしているので、主人公の彼氏に対しての「共感してくれよォォ!」という気持ちがわかりみが深かったのです。(ただ自分にはトラウマ的なものはないので本当に気持ちがわかってはない)

でも強制的に全員で共感も嫌!

とはいえ卒業式で泣かなかったり、全校あげての甲子園(予選)応援とかが心底イヤだった自分なのでホルガ村の強制共感圧力みたいなのも観ていて怖い!となっていました。

自立とは誰にも依存しないことではなく依存先を増やすこと

しばらく「これどっちも嫌なやつじゃん、アンサーは無いの?」と悶々としてしまいましたが、その後子どもを自立させることを考えていたときにアンサーらしきものにたどり着きました。

現代における自立とは、誰にも依存しないで、ひとりで生活や感情を安定させること。と考えてしまいがちですけど、そうではなくて依存先を増やしたらいいんだよね。恋人だけに依存しない、属する集団にだけ依存しない。

家族・仕事・趣味の仲間・学生時代の仲間・地域の人・オンラインで繋がった人、いろいろなところに少しずつ依存して、それぞれに少~しずつ悩みなんかを話せたり、色々な立場からアドバイスをもらったりできたらいいよね。

(私はできてません。友達が少ない…。依存先増やさなきゃ…と痛感)

癒された?癒されない?

なるべく事前にネタバレを見ないように…とtwitterでミッドサマーの文字を見かけるたび薄目で見るようにしていたのですが、そんななかちょこちょこ見えたのが「癒やされた」「セラピーを受けたよう」という言葉でした。

私は「癒された」気にはなりませんでしたが、観終わったあとには「共感のない世界」と「絶対共感する世界」のどちらかでもない世界に生きていることに少し安堵した気分になりました。自由。身体も心も。共感してもらえる相手はいなくとも。

「そうそう、気になる映画を自由に観に行けることを喜ぼうっと」と思った直後、1,000円(曜日限定会員割引)の映画代を捻出するのに苦労する収入に将来の不安が重なって暗い気持ちになったりもするのですが……まぁ、悩みが無くなって安定することなんてないのがきっと生きるっていうことで、悩み多き中にたまに楽しいことがあればそれでOK。仏教もそんなこと言ってた気がする。というところで落ち着きました。仏教便利。

共感・形だけのもの?心からのもの?どちらも大差ない?

あらためて「共感てなんだろう」と考える機会にもなりました。
ホルガの共感は共感なんだろうか。形だけのもの?心からのものじゃないか?
でもホルガでなく、私たちがふだんしている
「そうだよね~」
「わかる、私もこんな経験があってさ…」
っていうような「共感らしきもの」だって、形だけと言えば形だけなのかもしれなくて。でもその言葉に救われるのですよね。

いや形だけでもないか…大切に思っている相手が喜んでいたら自分も嬉しい。悲しんでいたら自分も悲しい。その気持ちを相手に伝えることは大切で。

ダニーとクリスチャンは相手が大切ではなかったってことなんだろうか。依存していただけなんだろうか。

余談いろいろ

余談1 女は強いで回収しないでほしい

ミッドサマーの感想を検索して読んでるとたまにでてくる【女は強い、男は弱い】で収束させる感想とか、男女で観た感想が違うようです、みたいなのにはげんにゃりすると同時に「そういうとこやぞ、贄に選ばれちゃう原因は…」と思いました。

余談2 オースティンパワーズ

なんで劇中序盤に「オースティン・パワーズ」のタイトル出てきたのかな。

「私たちはコメディ映画を観る普通の感覚を持った人ですよ」アピールとかでしょうか?しかしオースティン・パワーズってどれくらい「普遍的なもの」にあたるんだろう。
(私的には割とマニアックなお下品コメディで好きな人は好きだけど、あまり一般的とは言えない映画なのでは…という印象です。海外では超メジャーとか? ちなみに私は好きです。吹き替え版もいいよね )

オースティン・パワーズにある(1960年代パロディとしての)フリーセックス思想とか「時代遅れ」「時代から取り残される」を匂わせるとかかな?

※2020年3月17日追記 これについて元カルト信者の方が カルト集団への一般人取り込みあるあるとして、 「向こうで子供たちとオースティンパワーズ見る?」っていう私達は君達と同じように世間の面白いものを楽しめる普通の人だよと示してくるのがとてもリアルだという記事を寄稿していました。とても読みごたえがあり、またカルトの手口が詳細に書かれており勉強になりました。

「向こうで映画見るけどあなたもどう?」元カルト信者の私が『ミッドサマー』に覚えた既視感 | 文春オンライン
海外メディアのすさまじいレビューにより、日本公開前から注目を集めていたアリ・アスター監督、フローレンス・ピュー主演の映画『ミッドサマー』。不幸な事故によって家族を亡くした主人公、ダニーは彼氏のクリスチ…

余談3 あなたの隣にも因習村

ミッドサマー観て、知り合いに聞いた「村のしきたりに合った形での<引っ越しの挨拶>をしなかったばかりにゴミ集積所にゴミ出させてもらえない(引っ越してきたんだから当然知らない)」話を思い出した。因習村って知ってたら調べるだろうけどふつうそんなことあると思わんわよね…

特に山奥という場所でもなく、東京から通勤圏内(50㎞程度)の場所でだよ…あなたの隣にも因習村…

余談4 映画館で見る映画はやっぱり良い!

映画を観たのはまっ昼。映画館を出たら空は青々と晴れ渡っているのに大粒の雨が降っていて(きつねのよめいり)不穏な気持ちになりました。

映画館で観たのは久々でしたが、こういうこともあるから外で映画観るのは、家で観るよりも刺激になります。観客はどんな人か見回したりできますしね。
(私が行った時は、特に割引日ではない平日昼間で7~8人、客層は老若男女ばらけてたのが印象的でした。カップルもいた)

余談5 エヴァンゲリオン

ミッドサマーの最後のシーンを観たときに、「自他境界が無くなっておめでとう!」という感じかな?と思っていて、さらになんとなくエヴァンゲリオン(TV版)のラストも思い出していました。
そんなところへ「ミッドサマーは居場所を見つける話」という感想を見かけて、
ミッドサマーもエヴァンゲリオンも 「居場所が無い!!」からの「ここに居ていい?」のお話だから似たものを感じたのか、と思いました。現代、なかなか居場所見つけられないですよね。

そんなことを思いながらエヴァンゲリオンを見直したくなってきました。初見の自分が若かった頃は絵づくりとか、出てくるモチーフの考察が楽しくて、そちらばかりに気をとられてしまったけれど今はそこに意識をとられないで見られる気がします。(絵づくり、モチーフの考察をするのが良くないとか見方としてどちらが上かという話ではなく)ミッドサマーも、たぶん若いころに見たら絵づくりやルーンなどの考察に夢中になってたと思います。色々な角度から、色々なことを考えながら観ることができるやはり凄い映画ですね。


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※本ページの情報は2020年3月時点のものです。最新の配信状況は U-NEXT サイトにてご確認ください。


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