当サイトは、アフィリエイトサービスおよび広告により、収益を得ています。コンテンツ内で紹介した商品が購入されると、売上の一部が当サイト管理人に還元されることがあります。

レイズナー最終回とOVAその先は?47話想定版と52話想定版ストーリー

レイズナー最終話 レイズナー

レイズナー全52話想定版

このページではレイズナー全52話構想とは何か、またそのストーリー・感想について書いています。

レイズナーのTVシリーズ最終話(38話)は、37話とつながっているとは言い難く、途中の回を省略したかのような内容になっています。それは「レイズナー」という物語に当初想定されていた38~47話までかけて展開したかった話(刻印発動までの話)が、打ち切りとなってしまったことで最終話となってしまった「第38話」の25分間に無理やり圧縮して描かれているからです。

※【38話で終了したのは当初4クールまで予定されていた延長がされなかったから 】 ととらえて「打ち切り」と呼ぶべきかどうかは意見が分かれているようです。

TV版で描かれなかった37話と38話との間のストーリーと、38話で語られるべきだった詳細な部分( ≒ 構想時の47話までの話)はOVA ACT-III 「刻印2000」で補完され、描かれています。

しかしさらにその先の【グラドスの刻印発動後の話 】(というか途中で分岐する話)というものも高橋良輔監督によって想定されていました。

それが監督がTV放映修了後、OAV発売前のタイミングで様々なアニメ誌等で語ってくださっている全52話構想です。

TV放映版で”語られなかった”レイズナー

52話Ver.のストーリーの前に、TV版であいまいにしか表現されていない部分のおさらい・解説を記します。これらは刻印2000で描かれていることや、各種ムック、高橋監督のインタビューで語られていたことからまとめています。

刻印とジュリア

グラドスの創世の秘密・伝承とは

先史時代、滅びかかったグラドス人が、それまでに栄えた文明を維持継承させるため地球から人類の生命核を持ちかえり、グラドスにおいて保護育成した。

それが現代のグラドス人の祖先で、つまりグラドス人と地球人は同一人種。連れ帰った地球人たちに地球という故郷を忘れさせるために秘密にされていた。

(以上は本編21話「我が名はフォロン」の回で語られています)

地球とグラドス、2つの人類が出会ったときに悲劇が起こらぬように伝承として残されていた。(地球側にはこの伝承は残っておらず、グラドス側ではトップシークレットとなっており、一部の高官(ナッシュボアやグレスコ等)にしかその事実は知らされていない。)

グラドスの刻印とは

グラドスの刻印は地球人とグラドス人とが出会って争いが起きてしまったときに、事態の収拾のひとつとして「交流を断ち切る」ための装置。 高橋監督曰く「空間に穴をあけるとか縮めるという特殊な宇宙航法をどちらかがとっているとしたら、その航法を使えないような歪みを空間にもたせるような」装置。

ジュリアは2部初期でグラドスの刻印の役割を知っていた

ジュリアは刻印の秘密を知ったが、グラドスには両親が、地球には弟がいるので刻印を発動させて分断させたくない。 だからなんとか刻印を使わずにすむように、地球人とグラドス人が互いを認めて、手を結ぶようなことができないだろうかと考え、のちに「聖女」と呼ばれることになる行動をはじめることになった。

グレスコとル・カイン

グレスコはル・カインに、はじめはグラドス創世の秘密を語らなかった。それはル・カインがまだ若く純粋なので、自分が地球人よりも偉い立場だと思っていれば純粋に指導者にもなれるが、グラドス人も地球人も同じだということを知ってしまえば支配がしづらくなるだろうという思いから。
ル・カインが政治の汚い面なども知り、精神力も付いてから、秘密を知るべきだとグレスコは思っていた。

しかしル・カインが強く秘密を知ろうとしたので、真実を告げたところ”そんなことはありえない!”と逆上。

ル・カインは優れた者(=グラドス人)が劣った者(=地球人)を支配することを理想としていた。一方グレスコは支配とは力あるものがすること、そして力とは悪である、それを自覚しなければならないという考えで、2人は対立してしまった。

更には秘密を知っているジュリアを生かしておくことが危険だということをグレスコが言ったことから、ジュリアに好意を持つル・カインはカッとして父であるグレスコを殺してしまった。

TV版最終話 ≒ 刻印2000≒47話構想の最後

そんなル・カインの行動や、高まっていく地球人の反撃力に対して、グラドス内部からこのままでは良くないと母星に通報が行く。グラドスから援軍が送られることになり、そのことを知ったジュリアは、それらが来る前に空間を歪めてしまおうと、刻印に乗り込む。

エイジの乗るレイズナーは 刻印の護衛に向かい、ル・カインのザカールがそれを追う 。

【 TV放映版38話】 グラドスの刻印は宇宙空間で発動し、空間が歪み… 最終回はどちら側が勝ったのか不明のまま、これから本当にエイジが必要になる時代なのにまだ帰ってこない。帰ってくるだろうか…。 (地球に向かって飛ぶレイズナーが描写される) というところで終わり。

【刻印2000 】 刻印内に取り込まれるエイジとル・カイン。すべての武器が無力になる刻印内で、ジュリアに怒りをぶつけるル・カインとそれを止めようとするエイジが殴り合う。ジュリアはルカインとともに刻印に残ると言い、エイジだけを刻印外へワープさせる。 グラドスの刻印は宇宙空間で発動し、空間が歪み…
宇宙に投げ出されたエイジは「地球に残ったグラドス人の力になってください」というジュリアの声を聞く。エイジは地球へ、アンナの元へと帰っていく。

52本の想定版では、エイジはレイズナーでグラドス星へ向かう

「それから先、本当に52本できればですね、その場合は空間の歪みが完全じゃなくて(笑)、やっぱりグラドス人が地球を制圧している。 けれどその戦いの中で、力と力による争いじゃなくて、真実を知らせることによってグラドス本星でのみんなの裁決っていうか、そういうものを得るために、エイジはレイズナーで母星へ帰っていく。
そうして、かつての支持者の協力も得て、レイズナーのフォロンとグラドスのコンピュータとのコンタクトを取ることで事情を全部グラドス星に知らせて、最後にはグラドスは地球との仲を修復していくっていうのが、52本の場合の想定になっていたんです。」高橋監督インタビューより

原文が読みたい場合は古いアニメ誌を入手がおすすめ

上記の内容などを含んだ監督のインタビュー原文が読みたい場合は「月刊アウト’86年8月号」掲載の記事「高橋良輔”語られなかった”レイズナーを語る」で読むことができます。


「月刊アウト’86年8月号 高橋良輔”語られなかった”レイズナーを語る」
本編で見られないような画をアニメアールの方が描いてくれてるのもアニメ誌ならでは。楽しいです。

また同時期の他アニメ誌にも同内容を含んだインタビューが掲載されているので読み比べてみるのも面白いかもしれません。 このころのアニメ誌はそれほど高価にもなっておらず、神田の古本屋さんやネットの駿河屋さん、まんだらけさんなどで比較的容易に手に入ります。放映当時の空気なども感じられて面白いですよ。あとこの時期のアニメは他作品もすごいものが多かったり(ZガンダムとかラピュタとかAKIRA始動など) OAV乱立期で色々な企画が立っていたり潰れていったりもしているので読みごたえがあって楽しめます。

←駿河屋さんで「レイズナー OUT」「アニメージュ 86年」「ニュータイプ 86年」などで検索してみると良いです。あとはヤフオクにも結構出てますよ。

52話構想もう少し詳しく

上記52話構想はOUTの高橋監督インタビューからのものですが、他媒体でも52話構想は語られています。もうちょっと詳しく書いておきます。

グラドスの刻印の中にル・カインがいたことにより、刻印の発動が不完全になり、結局グラドスの援軍が地球に到達してしまう。

両星の戦いを避けるべく、エイジはグラドスに飛び、両親や、グラドスの穏健派貴族・ナッシュボア、ほか改革を志す人々と協力し、グラドスの民衆にも創世の秘密を伝えようと奮闘することになる。ラストはグラドス本星中心部のコンピュータ(地球侵攻を決めた盟主)に、グラドス創世の秘密を持つフォロンをセットし、グラドスの人々と グラドス人と地球人は同種である 」という記憶を共有する。

52話構想のなかでも、刻印発動については、【刻印が発動しなかった話】と、【刻印が発動して両星は分断されたものの、地球に残されて母星に帰れなくなったグラドス人が地球人に迫害・差別されるようになり、やはり両星の人々がわかり合えるように…とエイジが発動した刻印のスイッチを切りグラドスに向かう話】と2パターンがあるようです。

レイズナー最終話の続きを小説で読みたいなら

なお、高橋監督監修の下で竹田裕一郎氏が書きおろした 「蒼き流星の行方」というタイトルの小説が出ています。内容は上記2つの話ともまたちょっと違う52話版ダイジェスト。

以前はこの小説LD全巻購入特典でのみ手に入るものでしたが、2013年に発売されたブルーレイ初回限定版「蒼き流星SPTレイズナー Recollection 1996-2000 Blu-ray BOX 」に特典として付けられました。

気になる方はヤフオクや駿河屋さんやまんだらけさんを探してみてください。値段はそのときによってまちまちで、6,000円のときもあれば12,000円のときもあります。1,500円ほどで出ていた時もありました。小説といっても文庫本のように厚いものではなくとても薄い冊子です。

52話構想を読んで

52話Ver.、フォロンを伴ったエイジが、地球侵攻の決定を下したグラドス中心部の大コンピューターと対決(融和)するクライマックスが熱いストーリーも興味深いのですが、監督インタビューでジュリアの心境が分かったのも収穫でした。

2部でいきなり「クスコの聖女(?)」になって出てきたジュリアにずっと違和感を持っていたのがこれを読んで 「そういう心境だったのか…」と スッキリしましたよ。

ところでこの52話Ver.の話、いつかどこかで映像化しないかなー、とか期待しています。 レイズナーのテーマである「共生or離別」「様々な愛のかたち」などはすごくNetflix向けだと個人的に思っています。ネッフリ、ゴライオンのリメイクがあったのであり得ない話では無い…のではないでしょうか!

以上、レイズナー最終話・47話構想・52話構想の話でした。

「刻印2000」と「蒼き流星の行方」についてはいずれもう少し詳しくあらすじ等を書きたいと思っています。

スーパーミニプラ第2弾(名称変わりましたね) ザカール・エルダール・ダンコフ
【あみあみ】 SMP [SHOKUGAN MODELING PROJECT] 蒼き流星SPTレイズナー Vol.2 3個入りBOX (食玩)[バンダイ]