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Netflixオリジナルドラマ「セックスエデュケーション」感想・あらすじ

海外ドラマ

Netflixのオリジナル作品(8話連続ドラマ)の「セックスエデュケーション」がとても良かったので熱が冷めやらないうちに感想(とあらすじ)を書き残しておこうと思います。

ドラマ「セックスエデュケーション」概要

Netflixオリジナル作品の連続ドラマです。ボリュームは約50分×8話(第1シーズン)。
性的描写はかなりありますが 視聴年齢制限(レイティング)は無しです。とはいえ性教育のために子どもと観たいな、と思ってもまずは先に下見をおすすめします。 主要登場人物は10人ほど。多いと思うかもしれませんが、しっっかりキャラが立っている上に立場がはっきりしていて解りやすいです。ドラマを楽しみながらも多くのキャラの気持ちに共感できると思います。

Netflixの番組詳細でのジャンル
ティーン向けTV番組・ドラマ
イギリスTV番組・ドラマ
TVヒューマンドラマ
TVコメディ

この作品は
心温まる

で表記されています。

あらすじ

性生活セラピストの母を持つ主人公オーティス(高校生)が、奔放と思われて同級生に距離を置かれているヒロインに誘われ、性に関する相談クリニックを始めるお話です。

学内での相談事を受けるのが物語の軸ですが、いじめやスクールカースト的なもの、お母さんが性に奔放すぎる問題や、大人から抑圧を受け続けた子の問題、など様々なエピソードが絡んできて…結果、性の問題を軸に、ネットリテラシーであったり人種差別であったり、社会の問題、人権の問題などが色々入った脚本になっています。

エロコメと思って気軽に見始めたら、社会的な問題を扱った部分が興味深く、全話一気に観てしまいました。コメディ部分もよくできていて面白いです。

登場人物(微ネタバレ有)

大きなネタバレしないように書きましたが、少しネタバレを含みますので、ネタバレ嫌いでドラマ未見の方はドラマを見てから読んだ方がいいかもしれません。
自分が主観が入った登場人物紹介が好きなので たまに主観を入れています。

  • オーティス 16歳主人公。高校生男子。性経験が乏しいながらも、カウンセラーである母の見よう見まねでメイヴと一緒に学内でセックスカウンセラーをはじめる。シスヘテロ。
  • ジーン博士  オーティスの母。性の悩みを解決する、セックスカウンセラー。若いころはセクシーなキャラでTVにも出演していた。息子のことが大好き。
  • エリック オーティスの幼馴染。ドラァグクイーンに憧れるゲイ。部屋では女装することもあるけれど外で女装するのはイベントの時に「コスプレ」として。家庭は宗教的で、お父さんは迫害されることを心配して彼の行動に反対している。
  • メイヴ ロックな外見と派手な噂から、学内で他の生徒に距離を置かれている女子。読書家で文学的才能があるが、先生から信用されていない。オーティスとともにセックスカウンセラー業をはじめる(営業・事務・金銭管理担当)
  • アダム ホモフォビアで何かとエリックに突っかかってくる。落ちこぼれであることから厳しい校長である父親とは緊張関係にある。
  • ジャクソン メイヴのセックスフレンド、水泳選手で学校期待の星。
  • エイミー メイヴの友達。男やほかの友達から利用されているけれどそれに気づかない、ちょっと知恵が足りない子…でも純粋で心やさしく魅力的です。幸せになってほしい…
  • リリー 自分の考えたSFエロ漫画をこつこつ描いている女子。誰とでもいいから早く性体験したいと思っている。彼女のマンガは上手いし、欲望をぶつけた作品はいいと思うので漫画家デビューできるといいね。コミケにおいで!
  • オーラ 水道屋である父親がオーティスの家の水道の修理をしたことから、知り合いオーティスのガールフレンドに。

スタッフ・キャスト

出演:エイサ・バターフィールド(オーティス)、 ジリアン・アンダーソン(ジーン)、 ンクーティ・ガトワ(エリック)
原作・制作:ローリー・ナン

「セックスエデュケーション」 感想

感想を語っていきたいと思います。

真剣に、可笑しいキャラたちを描きそれを肯定する姿勢が好き!

 1話を観た後、全8話一気見してしまったのですが、「先が気になるから」という面白さともちょっと違って、観ながら、観たあとにも自分の身近なことと合わせて色々考えてしまう面白さ、という感じです。先が気になるものもありますが、それだけでなく、観る前と観た後では自分の中身が少し変わる類の面白さです。

 また面白いのは本人たちが真剣だけれども、(真剣な分なおさら)コメディっぽく見えるところというのも含まれます。 息子を心配しつつも論理的・理性的に話すお母さんの物言いが「カウンセリングで出てきそうな言葉あるある」だったり、自分で考えた荒唐無稽エロSF漫画をひとりで描く(しかもBFの母とその彼氏に設定を早口で説明する)リリーとか、本人は真剣だけどはたから見てちょっと可笑しい。

 それで、このドラマのいいところは、そんなちょっと面白いひとたちを描くにあたって、ちょっと面白い愛おしさを踏み越えて「茶化して面白がる」には絶対していないところなんです。 いろんな子がいて面白い。それぞれ真剣。誰でもちょっと可笑しな、可愛いところがあるんだよっていう肯定感。

多様性を描きつつ、多様性を神聖視しないところがすごい!

主要登場人物の性の悩みを軸にしているのですがそれ以外にも、多様な性、多様な人物が描かれています。
そしてその描き方がマイノリティだから純粋、マイノリティだから正しい、ではなく、マイノリティだってマジョリティと同じようにいい人もいる、悪い人もいる、けんかもするし、いじわるな奴もいる。と描いてることに感心してしまいます。

障碍者はすべからく頑張り屋で心が美しくあってほしいというイメージの押し付けをしてくるようなバラエティ番組とは全く違う感覚で信頼感が持てます。

とにかく人物描写が丁寧

 悪役として配置されているキャラクターがいても、その人物を丁寧に丁寧に描いているのでどこかしら共感、(またはそのキャラの行動に納得という形、これも共感でしょうか)してしまう…。
だれかを悪者と決めつけて断罪して、それでいい気分になるのとは正反対で、本当に良い脚本だと思います。

 ホモフォビアのアダム、「どうせ早々に主人公と何かエピソードがあって、仲良くなるんだろうな」と思いながら見ていても、人間そう簡単には変わらない、っていうのもすごいし、中絶クリニックの出口で、出てくる人に向かって「中絶する人は地獄に落ちる」的言葉をぶつけていく女の子の話を聞きだしていくくだりもすごい…。
メイヴの兄もメイヴがひとり底辺から脱出していくのが気にくわないのかなと思いきや純粋に妹を応援している感じもあり、どっちの気持ちもあるのだろうな(だからこそまた出て行った?)とこちらに思い至らせる描写もすごい。

いじわる3人組には全く共感できないですが。いやいや彼女たちにも背景が描かれることがあったら何かしら共感するのかも…?

と、観ているうちにどのキャラにも思い入れが出てきます。 みんないろいろなスティグマ(心身の障害や貧困による社会的な不利益や差別、屈辱感や劣等感 )から解放されて幸せになってほしい。

まとめ

 大人からの抑圧や、仲良くしたいけど利用される、とか、生まれた環境の問題をどうするか、などなど若者に見てもらいたい問いかけと考えるヒントがたくさん入っているけれど、親と子どもの関係、社会との関係の話などもしっかり入っているので大人もうならされます。しかも面白い…ほんとうに良い脚本です。
シーズン2の制作が決定したそうで、そちらも楽しみです
アダムは裏主役なのではと思っているので、シーズン2で彼が良い方に変わって良い人生が送れるといいと思います。

メイヴも!誰とくっついても、誰ともくっつかなくても、彼女の幸せを見つけてほしい…
とはいえ1シーズンで終わりだとしても、登場人物みんな、強さがあるので「あのキャラたちは見てないとこでもどうにかするだろ」と終われた感じはあります。
ほんとうに上手い!観てよかった!ありがとうネッフリ!!